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Writer's picture米田真希子

医師も言わなかった、私が体の痛みを克服した4つの基本事項




 


1、はじめに

「痛い」という肉体的な苦痛と、「弾けない(人によっては恥ずかしい)」という精神的な苦痛のダブルパンチ。 本当に辛いですよね。 私自身2018年まで、腰、肩、手の痛みに悩まされてきました。特に仕事で最も使う右手はドクターストップも受けました。もう弾けない、仕事どうしよう、誰にも言えない、などと落ち込み、辛く悲しかったです。


でも、まず初めに伝えたい。


大丈夫です


少しだけ視点を変えるだけで、その痛みが和らぎ、痛みを抑止できる世界が待ってます。


では、ゆっくりといきましょう!



2、私の経験

本題に入る前に私の腰椎椎間板ヘルニアや腱鞘炎などの痛み経験をシェアしますね。


まずはヘルニア。

2006年に1年半のブラジル独学から帰国し、幸運な事に東京の某ホテルで週5の演奏の仕事が始まりました。ブラジル帰国後無一文だった私は実家に世話になり、通勤往復4時間かけて通っていました。


プロとしての初仕事。

ブラジル人との初仕事。

ポルトガル語はまだまだ話せずいつもドキドキ。

音楽レベルは超初心者。


経験もない私は付いていくのに必死でした。

そしてその心の緊張は体の緊張を生んでいたのでしょう。そのうち足に痺れを感じはじめ、横になるのも痛いほどになり病院へ。

診断は腰椎椎間板ヘルニア。

その当時は何が原因なのかは見当もつきませんでした。


次は腱鞘炎のオンパレード。

2011年、日本での経験を積んだ私は、本場で実力を試そうと、再びブラジルに単身渡伯。

プロミュージシャンとして休日ゼロ人生100%音楽の毎日を過ごして居ました。仕事が入り始めた2013年位から腱鞘炎が度々起こり、それは2018年まで続きました。


腰も手も、専門家の病院へ数カ所行ったり(大量の薬を貰いました)、自然治癒法、針、各種整体やスポーツ整体、占い(何か取り憑いているのか?とまで考えて(笑)まで、すがるような思いで、とにかく、何でも思いつくものはやりました。


一時的には良くなったりもしましたが、慢性的にいつもどこかが痛い人でした。


手の痛みは次第にひどくなり、最終的には結局一音弾くだけでも針で刺されたような痛みが走るようになり、2018年、ついにドクターストップ。 その当時、ブラジルでプロミュージシャンとしてアルバムがベスト50に入ったり、ブラジル最高峰の舞台での大成功など、それまでの「24/7音楽生活」の結果が見えてきて、

「今後もっとキャリアを伸ばしていくぞ!」と絶好調の時だったので、本当にショックでした。でも、後で思えば、ドクターストップにホッとしていた、、かもしれません。


私生活でもCD製作会社の詐欺や裏切りなど、あまり良くない事が続いて居た時期だったので、「こんな状態克服して、また仕事をするんだ!!」と調べに調べまくりました。


そんな中出会ったのが、アレキサンダーテクニック。


最初のレッスンでは


「あなたの体の中の軽い部分はどこ?」と何回も質問されたり、

ピアノをじっと見たり、ゆっくりとピアノに近づいて行ったりしました。。

今でも、ピアノ見ただけで涙が出てきたことを覚えています。。

どんなに自分がピアノが好きで、音楽が好きかということを心の底から感じました。


時間をかけて自分の体や心を観察していきました。

時間が止まったかのように、ゆっくりと進んでいきました。


そして、先生が弾いても良いとおっしゃった時、

あんなに痛かったはずなのに、優しい音で弾けたのです。


正直、何が起こったのかわかりませんでした。


「痛みなく弾けた」という事実。


まるで魔法にかかかったようでした。


もっと知りたいと思い勉強を始め、2年間の教師養成コースに通いました。

もう少し詳しいことは以前のブログに。


絶望的状態だった私から痛みを消し、ドクターストップ前以上に弾けるようになり、

慢性的に起こっていた手以外の体の痛みも消したアレキサンダーテクニック。


今日はそのアレキサンダーテクニックの中でも痛みとともに生活してきた2018年までの間、


どんな専門家からも聞かなかった

私が痛みを克服した4つの基本事項をお伝えしたいと思います。


どれも「言われてみたらそうかもしれない」当たり前の事かもしれません。

そして、その当たり前が、私を慢性痛みワールド、そして、どん底ドクターストップから私を救ってくれました。 パナソニック創業者の松下幸之助さんの有名な言葉に


「うまくやっている人は、なぜうまくやれているか?
それは、うまくやれるようにやっているからだ。
ダメになる人は、なぜダメになっているのか?
それは、ダメになるようにやっているからだ」

当たり前のことを当たり前にできる。もしかしたら、少し難しいのかもしれませんね。




3、その①ー痛みをそのまま受け取る


痛みが出たことで落ち込んでしまったり、

「どうしよう、問題が起こってしまった。。」と感じてしまうのが普通だと思います。

私がそうでした。

痛みを敵視し、落ち込みました。

(でも、友人などから心配されて少し気分が良かったり(笑)。。人間って複雑ですね。)


ただ、このように痛みを敵視してしまうことはとても危険です。



1つ目のあなたに伝えたい基本事項はこちら。


「痛みを憎まないで欲しい」

難しいかもしれませんが、痛みは何処かから飛んできたり、誰から受け取ったもの?ではないですよね。 毎日頑張っている自分自身の何かがバランスを崩し、調整できなくなって、

最終的に痛みとして現れてきた。

つまり、


「これ以上無理しないで欲しい!」「助けて!』という自分から自分への切なるお願いです。


だから、痛みを「問題」「悪者」と捉えるのではなく、


「私は痛みがあるなぁ」とそのまま受け取ってみてください。


とは言っても、やっぱりがっかりしてしまうのは仕方がないですよね。


あなたの気持ちに無理をせず正直に落ち込んでみても、憎んでみても大丈夫。


ただ、気が済んだら、その後は、そのまま受け取ってあげてください。


これが出来るか出来ないかで痛みから回復するか否か、180度変わってきます。

あなたの優しさで痛みを受け止めてあげてみてください。

4、その②ー痛い場所から意識をそらす


痛いとどうしても「痛い場所」のみに意識が集中してしまいますよね。 意識を集中させる

その集中した場所に余計痛みを感じる

また意識が向いてしまう、、、



という悪い循環が起こってしまいます。

では、意識を向けなかったらどうなるでしょう? 例えば、さっきまで頭やお腹が痛かったはずのに、友達と楽しく話し始めたらいつの間にか忘れていた!という経験はないですか?


これは、「痛み」に向けられていた「意識」が、「楽しいこと」に向けられた結果、私たちは痛みを感じなかったという現象ですね。


つまり、痛みは意識の向け方次第で感じたり感じなかったりするもの。

だから、意識を痛みに集中させるのではなく、痛み以外に持っていってみましょう 例えば、大好きな食べ物を食べる、飲む、好きなことをするなど。


これは肉体的な痛みだけではなく、気が滅入った時などに、自然とあなたがやっていることかもしれませんね。


思いつくことはありますか?


私は、どう頑張っても痛いという意識が腱鞘炎の場所に行ってしまう時は、いつも友達を食事に誘ったり、歩いてみたりして、痛さを感じてしまう自分から積極的に逃げていました。



ただ。


もしも、「痛い」状態にいることで何か利点があり、そこにいることを自分で選んでいるかもな、、と感じたら、好きなだけ居てあげましょう。


最初に少し触れましたが、私は痛みがある事で、その当時強く感じていた次のアルバム制作からや、キャリア構築へのプレッシャーから逃げれる!と感じていた自分を見つけました。

そう感じる自分も自分。


ここでも「良い悪い」ではなく、そういう状態の自分をそのまま受け止めてあげて、

気分が落ち着いた時に、自分のお気に入りを見つけて、「痛みワールドから逃げる」ことを試してみてください。




5、その③ー痛い場所だけを治療しようとしないで!

もう1つ、良くやりがちな間違いは「痛い場所」だけを治そう!としてしまう事。

私はずっと「痛い腰」「痛い右手」「痛い肩」だけを改善しようとしていました。

「問題は痛い所にあるはずだからそこを治すのが当然だ」と思っていました。


でも、これは大きな間違いです。

なぜなら。。

これを読んでいるあなたは、体のどこかが「切れている」状態ではないですよね? あなたの体は頭の先から指の先まで全てが繋がっていて、昔よく見たマジックみたいに、バラバラです!という人はいないはず。


転びそうになった時、私たちの体は全体でバランスを取ろうとすることを思い出してください。 このことを専門用語ではテンセグリティーと言います(詳しい説明はこのビデオに載っています(英語))。


つまり、痛みが出ているということは、 あなたの「体全体」(←ここがとても大事)のバランスがずれていて、一番無理をしている、もしくは弱い場所に痛みが起こっている という事なのです。

だから、私も含め多くの人が今までに経験したと思いますが、痛いところだけを直しても、結局また同じところが痛くなるということを繰り返すのです。


痛みを作り出している体全体のバランスを改善していないから当然ですよね。


ストレッチをするなど、部分的に改善してあげることも大切ですが、それはあくまで体全体の一部の手当て。


痛みが出ている体の一部を切り離して考えるのではなく、体全体を1つとして考えてあげることを忘れないでください。



6、その④ー心と体は一体!(サイコソマティック)


そして最後4つ目。


最初に、私がレッスンを担当した多くの方達の痛みがこの関係を見直すことだけで


かなりの割合で改善した


ことをお伝えしておきますね。



では行きましょう。


体の痛みが「体全体のバランスのずれ」から起こることはお伝えした通り。


それプラス、忘れて欲しくないことが、こちらです。

「体と心は切っても切れない関係にある」

つまり。。 ストレスが多い、最近悩みがち、プレッシャーがかかっている、、などという、


あなたの心の状態が体の筋肉の緊張を生み、痛みに繋がるという事なのです。 緊張すると汗をかいたり、心臓が早くばくばくしたり、体の動きがぎこちなくなったりという経験は誰でもあるはず。


体の痛みは心の痛みと密接な関係にあるのです。

だから、どこか痛みが出た時、肉体的な痛みだけに目を向けるのではなく、


「今の心の状態はどう?」とあなた自身に聞いてあげてほしいのです。

最初にもお伝えしましたが、ここを自己チェックすることで、痛みが大幅に軽減したというケースが非常に多いです。


あなたはいかがですか?


私自身、2018年に弾けなくなった時、正直、お先真っ暗!仕事を失う恐怖から誰にも言いたくない!という状態で、どうしたりいいかわからなくなっていましたが、

その後、痛みの原因が「精神的なプレッシャー(心)からくる筋肉(体)の緊張」と「パフォーマンス精神(心)からくる必要のない過剰な力み(体)」によって生じていることに気づきました。


私にとってこの気づきは「目から鱗」でした。


それから、日常でも、心の動きにもっと敏感に、心の動きから筋肉の反応や過剰な力みを抜き、エフォートレスで私自身が心地よいと感じられる状態で弾けるためのエクササイズを続けています。


最近は、この心と体を一体のものとして考える「サイコソマティック」という考え方や、日本の病院でサイコソマティックセラピーを正式に採用する場所が増えきたと聞きました。


今まで「心の病気はこちら」、「体の病気はあちら」、、と対応されることが当たり前だったと思いますし、まだそれが当たり前かもしれませんが、自分自身を顧みた時、心と体を分離して生活できるわけがない!と思いますよね。


私自身、この4つ目を知ったことで、自分を包括的に捉えることができるようになり、

精神的にも肉体的にも無理をしなくなったと思います。


心の動きに目を向けるのは少し怖かったり、難しかったりするかもしれませんが、

大切なあなたの体と心。

どうぞ、少しの時間でもあなた自身のために時間を使ってみてください。


 

いかがでしたか?

痛みは大切な自分からのサインです。

この4つの基本事項が少しでもあなたの痛みの軽減、痛みの抑止に役立ちますように。


次回のサイコソマティックシリーズでは、痛み改善、痛み抑止に役に立つ、一人でもできるエクササイズを紹介したいと思います。



個人的なご相談にも載っています。興味のある方はお問い合わせください。


この写真は2018年のブラジル最高峰でのCDアルバム発売ライブです。この3ヶ月後、ドクターストップがかかりました。その時はまるで真っ暗闇に突き落とされたみたいに感じましたが、この事をきっかけに、真剣に自分の弾き方や心の事を見直し始めました。
今思えば、ドクターストップのお陰である意味救われたかもしれません。
そんな体験談もこれから語っていけたらいいなと思います。


個人的なご相談にも載っています。興味のある方はお問い合わせください。

 


【米田真希子プロフィール】 

ブラジル音楽ピアニスト、音楽家のためのボディーコンシャスネスコーチ

「音楽をもっと手軽に!痛みなく!自分らしく!」

「音楽から学び、人生をもっともっと自由に楽しく!」

2011年 単身渡伯。ブラジル在住10年。 鍵盤ハーモニカを片手にブラジル音楽界へ進出後、プロピアニスト/作曲家として一線で活躍。 参加プロジェクトは50以上。

2017年 ブラジルで発売された全CD中ベスト50にオリジナルピアノトリオアルバム「ブラジレイリズモ」が選出。

2018年 ブラジル最高峰セスキインストゥルメンタルで日本人初オリジナルCDでのリーダーライブを行い大絶賛。

2020年 コロナ禍愛猫とイスタンブールへ。

2021年 音楽を言葉のように学び表現するブラジルスピリットと自身の故障から実感したサイコソマティックの重要性を融合させた新音楽プロジェクトを始動。


【米田真希子CD】

♪ブラジルにてベストCD50に選出された「ブラジレイリズモ」, 日本にて「太陽光発電」の技術(グラミー賞受賞)を使って録音された「WA(和・輪・ZERO)」。


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